ホワイトニングはしない方がいい?その理由と対処法解説!
歯を白く美しくするホワイトニングですが「知覚過敏になった」「逆に黄ばみが目立った」等の声もあり「しない方がいいの?」と不安になりますよね。
本記事では「ホワイトニングはしない方が良い」と言われる理由や効果が出にくい人の特徴などをご紹介します。不安で一歩踏み出せないという方はぜひ参考にしてみてください。
目次
ホワイトニングしない方がいいって本当?
なぜホワイトニングをしない方がいいという声があるのか?
短期間の治療で歯の黄ばみや変色などのコンプレックスが解消され、自分に自信を持つきっかけにもなるホワイトニング。
清潔感が増して印象が明るくなるなどメリットが多くある一方で、ホワイトニングをした方の中には「やらなければよかった…。」と後悔する声が聞かれることもあります。
そこでホワイトニングを受けて後悔した方の声を調査しました。ホワイトニングを始めたきっかけ別に、4つご紹介します。
ホワイトニングをした理由
女性/20代
歯の黄ばみが気になってホワイトニングを受けましたが、驚いたことに直後は逆に歯が黄ばんだように感じました。歯科医によると、ホワイトニング直後は色素を吸収しやすく、飲食による色素沈着が起こりやすいとのこと。特に色の濃い飲食物を摂取すると黄ばみが酷くなる可能性があるそうです。比較すると、ホワイトニング後のほうが、黄ばみが目立つこともあります。ホワイトニング後は飲食に気をつけることが大切だと感じました。
女性/40代
私は歯に付着したタバコのヤニ汚れが気になり、ホワイトニングを受けましたが、すぐに色が戻ってしまいました。色素沈着の度合いや施術方法によってどの程度白くなるかは異なるようで、1回の施術で理想の白さになるのは難しいことを知りました。私のように長期間喫煙者であった人やコーヒーなど色素の多い飲食物を好む人は、色が戻るまでの期間が短くなる傾向があるみたいです。
男性/30代
男性/20代
結局ホワイトニングはしない方がいい?
結論、ホワイトニングをしたからと言って歯がダメージを受けることはありません。
ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素は、歯以外の部分に高濃度で触れると炎症の原因になる可能性はありますが、歯科医師のもと用法容量を守って使用されるため、歯を傷める心配はないと言えます。
余計に歯が黄ばんだりする原因としては、その後の飲食物や喫煙が考えられます。こちらも医師の指示通りに直後のケアを行うことで防げるでしょう。
ホワイトニングは安全だっていいきれる?
- 知覚過敏になる
- 歯がしみやすくなる
- ホワイトニング剤によって歯肉が傷む
ダメージを受けることはないと言っても、ホワイトニング後に冷たいものや熱いものがしみやすくなったり、歯肉が痛くなったりすることは実際にあります。
知覚過敏はホワイトニング剤が歯の内部に直接影響を与えやすくなることが原因で起きますが、ほとんどの場合が数時間~数日で緩和されます。
また稀に薬剤が歯肉に触れてしまい痛みを感じることもありますが、こちらも数日で自然に回復します。
決して危険な治療ではない
一時的に副作用が起こる可能性はゼロではありませんが、ホワイトニングは決して危険な治療ではありません。
ホワイトニング剤の主成分である過酸化水素にネガティブイメージがある方も多いかもしれませんが、歯科医師でしか扱うことが出来ず、用法容量を守って利用されるため、歯を傷める心配はありません。また、自宅で行うホームホワイトニングの薬剤はかなり低濃度であるため、炎症などの可能性も低いと言えます。
どうやって白くする?ホワイトニングの仕組み
ここまでホワイトニングの薬剤にも触れて安全性を解説してきましたが、一体どのようなメカニズムで歯を白くしているのでしょうか。
歯が黄ばんだり着色したりする理由には、色の移りやすい食べ物や珈琲などの嗜好品、喫煙などによる外的な原因と、加齢や遺伝による内的な要因があります。
ここでは歯に着色してしまう理由に触れながら、ホワイトニングで歯を白く美しくする仕組みについてご紹介します。
【関連コラム】
ホームホワイトニングって良い?効果やメリット&デメリット、やり方を解説
歯が着色してしまう原因
- 色が付きやすい食べ物・飲み物
- タバコ
- 加齢による歯の構造変化
外的要因は珈琲や紅茶の摂取、喫煙です。特に珈琲に含まれるポリフェノールによる色素沈着は、放置することで更に深く定着していきます。たばこによる色素沈着はタールによるもので、部屋の壁紙が黄色になる現象が口内でも起きているのです。
内的要因としては、加齢よる歯の構造変化が考えられます。加齢に伴って歯がすり減ると、表面のエナメル質という組織が削れ、内部の象牙質という黄色の部分が濃く見える仕組みです。
歯を白くするメカニズム
ホワイトニングでは薬剤によって歯の構造を変化させたり漂白剤で漂白したりしているわけではなく、歯の着色物質を過酸化物によって分解することで白くしているのです。
ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素は、歯などの組織に存在するカタラーゼ(生物の体内で働くたんぱく質)で分解され、不安定な物質であるフリーラジカルを発生させます。フリーラジカルは安定するために歯の着色物質と結びつき、これによって漂白作用が発現する仕組みです。
歯科医院のホワイトニングでは、ホワイトニング剤を塗った後に光を当てたり、温度を上げたりしますよね。これはより効果的にフリーラジカルを発生させる目的で行っているのです。
ホワイトニングをしない方がいい人はどんな人?
歯が健康であればほとんど人が受けられるホワイトニングですが、中には「しない方がいい人」も存在します。
薬剤に含まれる過酸化水素という成分と大きく関係しており、口腔内の状態によっては炎症や悪影響を及ぼす可能性もあるのです。
ここではホワイトニングをしない方がいい人の特徴について、詳しく解説していきます。
- 知覚過敏がある人
- 虫歯や歯周病がある人
- 無カタラーゼ症の人
- 光線アレルギーの人
- 18歳未満の人
- 妊婦中・授乳中の人
①知覚過敏がある人
知覚過敏とは、歯ぎしりや歯周病によって歯の表面にあるエナメル質が削れ、内部の象牙質(ぞうげしつ)がむき出しになることで起こります。
知覚過敏の方がホワイトニングを行うと、エナメル質よりも神経に近い象牙質にホワイトニング剤が染みて、神経に痛みが現れます。
薬剤の濃度を下げることによってホワイトニングが受けられる可能性もありますが、まずは知覚過敏を完治させてから行うのが安心でしょう。
②虫歯や歯周病がある人
虫歯や歯周病がある場合には、完治させてからホワイトニングをする必要があります。
ホワイトニング剤が虫歯や歯周病の患部に直接触れることで、歯肉に痛みが増すリスクがあるためです。
炎症が長引けば、ホワイトニングを続けられなくなる可能性も出てくるでしょう。
また完治する前にホワイトニングをしてしまうと、その間に虫歯や歯周病が進行する恐れがあります。上記のようなリスクを避けるためにも、先に治療を済ませましょう。
③無カタラーゼ症の人
無カタラーゼ症とは、細胞に存在するカタラーゼ(過酸化水素を分解する酵素)が作られない疾患です。
通常、ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素を少し飲みこんでしまったとしても、カタラーゼが分解してくれるため問題はありません。しかし無カタラーゼ症の場合には、腔内が荒れたり、最悪の場合壊死を起こしたりするリスクもあるのです。
無カタラーゼ症の方は、過酸化水素を使ったホワイトニングが禁忌とされています。
④光線アレルギーの人
光線アレルギーの方は、ホワイトニングによって肌に炎症を起こすリスクがあるため注意が必要です。
光線アレルギーとは、紫外線により肌が刺激を受けることによって、赤みや痒み、湿疹、水ぶくれなどの症状が現れる疾患のことです。
ホワイトニングで使用する光は日光の光ではありませんが、ホワイトニング専用の機械で強い光を当てるため、光線アレルギーの方は避けた方が良いでしょう。
⑤18歳未満の人
18歳未満のホワイトニングは禁止されているわけではありませんが、受け付けていない歯科医院が多いです。
18歳未満の場合は、歯が未発達で成長しきっていない可能性があります。その状態でホワイトニング剤を使用してしまうと、成長を阻害し、歯がダメージを受けるリスクがあるのです。
効果が穏やかなホワイトニング剤であれば受けられるケースもありますが、まずは日頃の歯ブラシでのブラッシングを念入りに行いましょう。
⑥妊婦中・授乳中の人
妊婦や授乳中の方にも、ホワイトニングはおすすめできません。
ホワイトニングの薬剤は、基本的に人体に影響がないと言われていますが、乳児や胎児は抵抗力や免疫力が弱いため、100%安全とは言い切れません。
また母体のホルモンバランスが崩れる可能性もあるため、妊娠中や授乳中は控えてください。どうしてもホワイトニングを受けたい方は、授乳などが終わってからにすると良いでしょう。
ホワイトニングをやっても効果がない人とその対処法とは?
上記で解説した「ホワイトニングしない方が良い人」に当てはまらなくても、歯の状態や変色の理由によっては、ホワイトニングをしても効果が得られない人もいます。
以下の3つに該当する場合には期待する効果が得られない可能性がありますので、ホワイトニング以外の方法を検討する必要があるでしょう。
- テトラサイクリンで歯が変色した人
- 被せものやインプラントなどの人工歯のある人
- 歯の神経がない人
テトラサイクリンで歯が変色した人
テトラサイクリンとは、細菌を殺菌する薬です。
歯の形成期である0歳~8歳までに、感染症の治療等でテトラサイクリンを服用している場合には、歯の表面のエナメル質の形成不全を起こし、変色に繋がることがあります。グレーや黄色、茶色など横縞模様となって歯の表面に現れます。
テトラサイクリン歯にホワイトニングを行った場合、多少白くなることはあっても、期待するような綺麗な白にはならないことがあるのです。
対処法
オフィスホワイトニングに加えて、自宅でもホームホワイトニングを行うことでより白くすることは可能です。ただし、テトラサイクリン歯は元の色に戻ろうとするため、定期的なケアが必要です。
ホワイトニングで効果が得られない場合は、歯の表面を削ってセラミックを張り付けるセラミック治療を行うこともあります。
被せものやインプラントなどの人工歯のある人
被せものやインプラントなどの人口的に作られた歯も、天然歯と同様に黄ばんだり着色したりすることがあります。ホワイトニングを行う際、天然歯と合わせて人口歯も白く美しくしたいと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、ホワイトニングは神経が通っている生きた天然歯にのみ効果があるものです。被せものやインプラントなど人工的に作られた歯には効果がなく、ホワイトニングによって白くなることはありません。
対処法
被せものの場合は、珈琲や紅茶、タバコなどによって着色汚れが付くこともあります。外的な原因で汚れが付着した場合は、クリーニングによって歯石や表面の汚れを除去しましょう。
ただの汚れではなく経年劣化によって茶色く黄ばんできた場合には、思い切って新しい人口歯を作り直すのも選択肢のひとつです。
歯の神経がない人
歯を強くぶつけたり、虫歯や歯周病を放置したりしてしまうと、歯の神経が死ぬ場合があります。神経を失った歯は、血液循環がなくなるため組織が古くなり、歯の内部から黒く変色することがあります。
ホワイトニングは薬剤に含まれる過酸化水素と組織内のカタラーゼが結合することによって、漂白作用が発現する仕組みです。そのため、神経が死んでしまった歯の変色に対しては効果がありません。
対処法
神経が死んでしまった歯を白くする方法の1つに、ウォーキングブリーチ法という内部からのホワイトニングがあります。
歯の中に直接漂白剤を入れて徐々に白くしていく治療法で、十分な効果を得るまでは2~3回繰り返すことが必要です。
歯の中に高濃度の漂白剤を入れる治療なので、生きている歯には使用できません。
白さを持続させるには?ホワイトニング後のケアについて
ホワイトニングの持続効果は半年程度と言われていますが、施術後のケアをしっかりと行うことで、効果を長続きさせることが出来ます。
ホワイトニングの過程で除去される歯の被膜(ペリクル)は、その後12~24時間をかけて再生されます。その間は歯の表面が着色されやすい状態となるため、色の濃い飲食物の摂取や喫煙は控えましょう。
ホームホワイトニングの場合も、実施後2~3時間は上記のケア行うと、白さが長持ちします。
まとめ
本記事ではホワイトニングをしない方がいい人や効果がでない人の特徴などを紹介しました。
ホワイトニングは歯科医師のもと用法容量を守って使用されるため、歯を傷める心配などはありませんが、体質や年齢によってはしない方がいい方や効果が出にくい方が存在します。
「印象を良くしたい」「黄ばみを取って清潔感をアップしたい」とお考えの方は、ご自身が受けられるかどうかも含めて、一度歯科医師に相談してみると良いでしょう。